洪水・内水

洪水ハザードマップおよび内水ハザードマップは、大雨時の浸水状況と避難行動に役立つ情報を、市民のみなさんに提供し、
防災の意識や避難の心構えをやしなっていただくために作成したものです。
いざという時のために、日頃から、浸水が想定される範囲、防災情報の入手方法・内容、避難の方法などを確認し、浸水への備えに役立てましょう。

洪水ハザードマップとは何ですか?

A. 洪水ハザードマップは、対象となる河川(多々良川,宇美川,御笠川,那珂川,樋井川,
室見川,瑞梅寺川,雷山川)が氾濫した場合に、浸水が想定される範囲(浸水想定区域)を地図化したものです。
 地域の浸水リスクや指定避難場所を把握していただける「地図面」と、洪水のメカニズムや個人に合った適時適切な避難方法を学べる「学習面」で構成されています。
 家庭や職場、地域で日頃からご確認いただき、大雨による災害時でも、ご自身やご家族の命を守ることができるよう、事前に準備しておきましょう。

対象となる河川はどのように選んでいるのですか?

A. 水防法第13条の規定に基づき、洪水が発生すると相当な損害が生じるおそれがある河川として、福岡県が指定した河川(水位周知河川)を対象としています。

中小河川の浸水想定区域が示されていませんが、市民へ情報提供が不足していませんか?

A. 現在、水位周知河川以外の中小河川には、浸水想定区域が設定されておりませんので、ハザードマップに記載することができません。
 しかし、浸水想定区域を記載することができないだけで、浸水する可能性がないわけではありません。
 中小河川については、福岡市防災・気象情報サイトで、河川カメラ、水位計などの情報を提供していますので、河川の増水の状況などをご確認いただき、避難行動を開始する目安としましょう。

浸水想定区域などは、どのようにして決めているのですか?

A. ハザードマップに記載している浸水想定区域、浸水継続時間、家屋倒壊等氾濫想定区域は、
福岡県が平成30年度に指定・公表した「洪水浸水想定区域図」を用いています。

これまでの浸水ハザードマップとどのように違うのですか? 

A. これまでの浸水ハザードマップは平成19~22年度にかけて福岡県が作成した「洪水浸水想定区域図」を用いており、浸水想定の前提となる大雨は「計画規模の降雨(1年間の発生確率が1/30~100程度の降雨)」※1とされていました。
 今回公表した洪水ハザードマップは、平成27年度の水防法改正により、浸水想定の前提となる大雨が「想定し得る最大規模の降雨(1年間の発生確率が1/1,000程度の降雨)」に変更されたことに伴い、福岡県が新たに作成した「洪水浸水想定区域図」を用いています。
 浸水想定の前提となる雨の量が大幅に増え、想定される浸水の範囲や深さが拡大しています。
また浸水想定区域のほか、立ち退き避難(水平避難)※2の目安となる情報として、新たに浸水継続時間、家屋倒壊等氾濫想定区域が設定されました。
 なお、福岡県において、これまでの浸水ハザードマップで用いていた「計画規模の降雨」による浸水想定区域も平成30年度に更新されており、総合ハザードマップ(web)で確認することができます。

※1 計画規模の降雨・・・「河川整備の目標とする降雨」のことで、河川の流域の大きさや災害の発生の状況などを考慮して、河川毎に定められる。

※2 立ち退き避難・・・住家等を立ち退いて、安全な場所まで水平移動して避難すること。住家等から立ち退かない避難行動を、屋内安全確保※3という。

※3 屋内安全確保・・・住家等に留まって、安全な階に垂直移動して避難すること。

浸水想定の前提となる大雨が「計画規模の降雨」から「想定し得る最大規模の降雨」に変更されたのはなぜですか?(水防法改正の理由)

A. これまで、「比較的発生頻度の高い大雨」として、計画規模の降雨を対象として、河川整備や避難対策を進めていましたが、全国的に災害が頻発化・激甚化していたことを踏まえて、最大クラスの災害においても少なくとも命を守る取組が必要との考えから、堤防などの施設では守りきれない事態を想定した減災対策に取り組むため、平成27年度に水防法が改正され、浸水想定の前提となる大雨が「想定し得る最大規模の降雨」に変更されました。

福岡市における過去最大の雨はどの程度ですか?

A. 気象庁の記録では、福岡市における過去最大の雨は以下のとおりです。

24時間雨量:平成30年7月6日 早良区脇山 393.0mm
12時間雨量:平成30年7月6日 早良区脇山 325.0mm
6時間雨量:平成21年7月24日博多区博多 218.0mm
1時間雨量:平成21年7月24日博多区博多 116.0mm

参考)想定し得る最大規模の降雨
御笠川:966mm/24時間  那珂川:961mm/24時間  室見川:522mm/6時間
※上記河川は抜粋です。対象河川毎の降雨量は、洪水ハザードマップの地図面でご確認ください。

ハザードマップに色がついていない場所は安全と考えていいですか?

 

 ハザードマップは浸水が発生するおそれの高い区域を着色した地図です。着色されていないところでも浸水が起こる可能性があります。

A1. 浸水想定区域について
浸水想定区域は、対象河川(多々良川,宇美川,御笠川,那珂川,樋井川,室見川,瑞梅寺川,雷山川)からの氾濫のシミュレーション結果を示したものです。そのため、
 ①対象河川以外の河川や支川からの氾濫
 ②高潮や内水(排水路や側溝からの浸水)による浸水
 ③土石流や流木に起因する河道閉塞による氾濫
等を考慮していませんので、色がついていない場所の安全を示すものではありません。 想定を超える降雨の際や、排水路、側溝などがあふれて起こる内水氾濫などにより、色がついていない場所でも水害が発生することが考えられます。

A2. 家屋倒壊等氾濫想定区域について
 氾濫流による家屋倒壊等氾濫想定区域は、想定し得る最大規模の降雨により、近くの堤防が 決壊等した場合に、標準的な木造家屋が壊れたり流出したりする危険性が高い区域の目安を示しています。そのため、家屋倒壊等氾濫想定区域でなくても、古い木造家屋である場合などには、家屋の倒壊等が発生することがあります。
 河岸浸食による家屋倒壊等氾濫想定区域は、想定し得る最大規模の降雨により、激しい川の流れで堤防や家屋の基礎を支える地盤が削られ、家屋が壊れたり流出したりする危険性が高い区域の目安を示しています。
 この区域の境界は厳密ではなく、あくまでも目安であることに留意してください。

本当にこんな大きなエリアで浸水被害が発生するのですか?

A. 想定し得る最大規模の降雨は、現状の科学的知見を踏まえ、利用可能な気象観測等の結果を用い、現時点において想定し得る最大規模の降雨を設定しています。雨の発生頻度は極めて小さい事象でありますが、実際に発生する可能性はあります。
 ただし、浸水想定区域は、決壊すると被害が大きくなるような堤防を複数選んで、これらの堤防が全て同時に決壊した場合を想定してシミュレーションしたもので、現実には、それらのうちのいずれかの箇所だけが決壊するため、全ての浸水想定区域で浸水が発生するわけではありません。

浸水想定区域に自分の家が入っているけど大丈夫ですか?(区域内における規制等の有無)

A. 市街化調整区域では、浸水想定区域等のうち、災害時に人命に危険を及ぼす可能性が高いエリアでの建築に制限がかかる場合があります。  
 既にお住いの方については、想定される浸水の深さなどに応じて、水害が発生する前に適切な避難行動を取る必要があります。適切な避難方法については、洪水ハザードマップの学習面で確認できますので、いざという時にすぐに避難行動がとれるよう日頃から確認・準備しておきましょう。